睡眠とこころは互いに影響する

睡眠は、身体を休めるだけでなく、気分や集中力、 判断力などを保つうえでも大切な役割を持っています。

睡眠が不足すると、日中の眠気や疲労感だけでなく、 集中しにくい、判断が遅くなる、感情を調整しにくくなるといった 変化が現れることがあります。

一方で、不安や緊張、気分の落ち込みなどがあると、 寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりすることもあります。 このように、睡眠とこころの状態は互いに影響し合っています。

睡眠の変化は、こころの不調に気づくきっかけになります

「最近眠れない」「朝早く目が覚める」 「十分寝ても疲れが取れない」といった変化が続いていないか、 ときどき振り返ってみましょう。

睡眠不足によって起こりやすい変化

必要な睡眠時間には個人差があります。 ただし、自分に必要な睡眠を十分に取れない状態が続くと、 日中の心身にさまざまな変化が現れることがあります。

気分が不安定になりやすい

睡眠が不足すると、イライラしやすくなったり、 不安や気分の落ち込みを感じやすくなったりすることがあります。 普段なら気にならないことに強く反応してしまう場合もあります。

集中力や判断力が低下する

日中の眠気によって、仕事や勉強に集中しにくくなり、 作業の能率が下がることがあります。 判断の遅れや注意力の低下は、仕事上のミスや事故にもつながります。

疲労が回復しにくくなる

朝起きても疲れが残っている、身体が重い、 日中に強い眠気があるといった状態は、 睡眠が十分でない可能性を考える目安の一つです。

  • イライラしやすくなった
  • 気分が落ち込みやすくなった
  • 集中や判断に時間がかかる
  • 仕事や勉強のミスが増えた
  • 日中に強い眠気を感じる
  • 朝起きても疲れが取れていない

睡眠時間だけでなく休養感も大切

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、 睡眠時間の確保に加えて、睡眠によって休養できたと感じる 「睡眠休養感」を高めることも大切だとされています。

成人では、個人差を踏まえながら、 おおよそ6時間以上を目安として必要な睡眠時間を 確保することが推奨されています。

ただし、必要な睡眠時間は年齢や体質、季節、 日中の活動量などによって異なります。 「必ず何時間寝なければならない」と考えすぎると、 かえって眠ることへの不安を強める場合があります。

日中の状態も確認しましょう

睡眠時間の数字だけでなく、朝に休めた感覚があるか、 日中の眠気で生活に困っていないかを確認することが大切です。

睡眠と生活を整えるポイント

眠れないときに、無理に眠ろうとすると緊張が強まり、 かえって寝つきにくくなることがあります。 できることから少しずつ生活を見直してみましょう。

朝は光を取り入れる

朝起きたらカーテンを開け、自然な光を取り入れましょう。 朝の光は、睡眠と覚醒のリズムを整える助けになります。

日中に身体を動かす

適度な運動習慣は、睡眠の質を高めることにつながります。 無理のない範囲で、散歩など続けやすい活動から始めましょう。

就寝前は落ち着いて過ごす

寝る前は強い光や刺激を避け、 自分がリラックスできる時間を作りましょう。 寝室の明るさ、温度、音などを調整することも大切です。

カフェインや飲酒に注意する

カフェインには覚醒作用があるため、 夕方以降の摂取によって寝つきが悪くなることがあります。

飲酒によって一時的に眠くなっても、 夜中に目が覚めやすくなるなど、 睡眠の質を低下させる可能性があります。 眠るための飲酒は避けましょう。

眠れないときは寝床を離れる

なかなか眠れないときは、いったん寝床を離れ、 暗めで静かな場所で落ち着いて過ごし、 眠気が訪れてから寝床へ戻る方法があります。

医療機関への相談を考えたいとき

睡眠の悩みが続き、日中の生活に支障が出ている場合は、 一人で抱え込まず、医療機関へ相談することを検討してください。

  • 寝つけない状態や途中で目が覚める状態が続いている
  • 朝早く目が覚め、その後眠れない
  • 十分寝ているはずなのに、強い眠気がある
  • 大きないびきや睡眠中の無呼吸を指摘された
  • 睡眠の問題によって仕事や学業、運転に支障がある
  • 気分の落ち込みや意欲の低下も続いている

不眠や日中の眠気の背景には、こころの不調だけでなく、 睡眠時無呼吸症候群などの病気や、薬の影響が 関係していることもあります。

まずは、かかりつけ医や睡眠を扱う医療機関、 精神科・心療内科などへ相談してください。

まとめ

睡眠不足や睡眠の質の低下は、 日中の眠気や疲労だけでなく、 気分や集中力、判断力にも影響します。

睡眠時間の数字だけにこだわらず、 朝に休めた感覚があるか、日中を無理なく過ごせているかも 確認してみましょう。

睡眠の悩みが長く続いている場合や、 日常生活に支障が出ている場合は、 早めに医療機関へ相談することが大切です。