ストレスとは
私たちは、仕事、学業、人間関係、家庭環境、 生活の変化などから、さまざまな刺激や負担を受けています。
ストレスの原因となる刺激や出来事を 「ストレッサー」といいます。 ストレッサーを受けたときに生じる こころ、身体、行動の変化が「ストレス反応」です。
ストレス反応そのものは、環境の変化や危険に対応するための 自然な反応です。 適度な緊張が集中力を高めたり、 行動を始めるきっかけになったりすることもあります。
一方で、強いストレスが長く続いたり、 複数の負担が重なったりすると、 こころや身体が十分に回復できなくなることがあります。
同じ出来事を経験しても、感じる負担の大きさや 現れる反応は人によって異なります。 他の人と比べるのではなく、 いつもの自分からの変化に注目することが大切です。
こころに現れるサイン
ストレスが続くと、気分や意欲、考え方に 変化が現れることがあります。
代表的なサインには、次のようなものがあります。
- 気分が落ち込む、憂うつになる
- 不安や緊張を感じやすくなる
- ささいなことでイライラする
- やる気や気力が出ない
- 以前は楽しめていたことを楽しめない
- 集中しにくくなる
- 考えがまとまりにくくなる
- 決断することが難しくなる
- 自分を責めることが増える
- 何事も悪い方向へ考えてしまう
一時的な気分の変化は誰にでもあります。 しかし、こうした状態が長く続いている場合や、 学業、仕事、家事、人間関係などに影響している場合は、 強いストレスがかかっている可能性があります。
身体に現れるサイン
ストレスは気分だけでなく、 自律神経や筋肉の緊張、睡眠、食欲などにも影響し、 身体症状として現れることがあります。
代表的な身体のサインには、次のようなものがあります。
- 寝つきが悪い、途中で目が覚める
- 朝早く目が覚める、眠りすぎる
- 眠っても疲れが取れない
- 食欲が低下する、または食べすぎる
- 頭痛や頭の重さを感じる
- 肩や首、腰などがこる
- 胃が痛い、胃が重い
- 便秘や下痢が続く
- 動悸や息苦しさを感じる
- めまい、発汗、口の渇きなどが現れる
- 身体がだるい、疲れやすい
頭痛、動悸、息苦しさ、胃痛、強い疲労などは、 ストレス以外の病気でも現れることがあります。 症状が強い場合、急に現れた場合、 長く続く場合は医療機関へ相談してください。
行動に現れるサイン
ストレスが続くと、日常の行動や生活習慣にも 変化が現れることがあります。
- 人と会ったり話したりすることを避ける
- 外出することが減る
- 遅刻や欠席、欠勤が増える
- 仕事や学業でのミスが増える
- 落ち着かず、そわそわする
- 身だしなみや部屋の片づけに気を配れなくなる
- 食事や睡眠の時間が不規則になる
- 飲酒量や喫煙量が増える
- 衝動的な買い物や過食が増える
- 好きだった活動をしなくなる
行動の変化は、自分では気づきにくいことがあります。 家族や友人、同僚などから変化を指摘された場合は、 一度生活を振り返ってみることも大切です。
ストレスのサインに気づくポイント
ストレスへの対処では、限界まで我慢する前に 自分の変化へ気づくことが重要です。
いつもの自分と比べる
他の人と比較するのではなく、 自分の普段の睡眠、食欲、気分、行動と比べます。
「最近寝つきにくい」「ミスが増えた」 「人と会うのが負担になった」などの変化がないか、 定期的に振り返ってみましょう。
一つの症状だけで判断しない
一つの症状が一時的に現れただけで、 過度なストレス状態とは限りません。
こころ、身体、行動の複数の面に変化が現れていないか、 その状態がどのくらい続いているかを確認します。
ストレスの原因を振り返る
生活の中で、負担になっている出来事や変化が 重なっていないかを振り返ります。
- 仕事や学業の量・内容の変化
- 人間関係の問題
- 引っ越し、進学、就職、転職
- 病気やけが
- 家族や身近な人との別れ
- 経済的な不安
- 睡眠不足や不規則な生活
ストレスに気づいたときの対処法
ストレスに対処するための考え方や行動を 「ストレスコーピング」といいます。
自分に合う方法は人によって異なります。 一つの方法で解決しようとせず、 複数の方法を組み合わせることが大切です。
休息と睡眠を確保する
疲れているときは、まず休息を取ることが重要です。 可能な範囲で就寝と起床の時間を整え、 休める時間を確保しましょう。
身体の緊張をゆるめる
深くゆっくりとした呼吸、軽いストレッチ、 入浴などは、心身の緊張をゆるめる方法の一つです。
無理に運動する必要はありません。 体調に合わせて、短い散歩や軽い体操などから 始めてみるのもよいでしょう。
負担を整理する
今抱えている問題を紙やメモへ書き出し、 自分で変えられることと、 すぐには変えられないことに分けてみます。
一度にすべてを解決しようとせず、 優先順位を決めて、一つずつ取り組みます。
誰かに話す
家族、友人、同僚、学校の相談窓口、 職場の産業保健スタッフなど、 話しやすい人へ状況を伝えてみましょう。
問題がすぐに解決しなくても、 気持ちや状況を言葉にすることで、 負担を整理しやすくなる場合があります。
ストレスが強いときは、 新しい習慣を始めること自体が負担になる場合があります。 できない自分を責めず、まず休むことや、 周囲の助けを借りることも大切な対処です。
専門家への相談を検討したい場合
ストレスの反応が強い場合や、 長期間続いている場合は、 精神科、心療内科、かかりつけ医などへの 相談を検討してください。
特に、次のような状態がある場合は、 早めの相談をおすすめします。
- 眠れない状態が続いている
- 食事を十分に取れない
- 学校や仕事、家事を続けることが難しい
- 強い不安や落ち込みが続いている
- 人との交流をほとんど避けるようになった
- 飲酒量や喫煙量が大きく増えた
- 自分を責める気持ちが強い
- 消えてしまいたい、自分を傷つけたいと感じる
今すぐ自分を傷つけてしまう可能性があるなど、 差し迫った危険がある場合は、 119番へ連絡するか、近くの救急医療機関を利用してください。
厚生労働省「まもろうよ こころ」では、 電話やSNSで相談できる窓口が案内されています。
まとめ
ストレス反応は、気分の落ち込みや不安などの こころの面だけでなく、睡眠、食欲、頭痛、動悸などの 身体面や、生活習慣、人との関わり方などの 行動面にも現れます。
自分に現れやすいサインを知り、 いつもの状態からの変化へ早めに気づくことが大切です。
症状が強い場合、長く続く場合、 日常生活に支障が出ている場合は、 一人で抱え込まず、医療機関や相談窓口を利用してください。